ウナギが絶滅危惧種に。ウナギ捕りの風景も過去の遺産になる?

2013年夏の土用の丑の日は二回あります。7月22日が一の丑、8月3日が二の丑です。
私は鮎の塩焼きも好きですが、ウナギの蒲焼にいたっては大好物といっても良いでしょう。今後、ウナギも食べられなくなるかもしれない、心配させる新聞報道がありました。
ウナギの絶滅危惧種を検討新聞報道
2013年7月6日「朝日新聞」より

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小さな鮎はウナギのえさに最適?

私が勝手にホームグラウンドにしている道志川上流部(山梨県)は、下流に津久井湖(城山ダム)があるため天然のウナギは遡上できないと思われます。おそらくウナギの放流をしていたんだと思いますが、以前は道志川でもウナギを捕っている人が何人かいました。
そのなかの一人に、私が通うオトリ屋の親父さんがいます。親父さんは、いわゆる「置き針り」でコンスタントにウナギを捕っていました。夕方のうちに餌となる小さな鮎を針に付けて、ここぞというポイントに仕掛けて置き、翌朝かかっているウナギを回収しているという話しでした。

鮎釣りも上手いと言われていた親父さんの話はどれも楽しく、なかでも一番ワクワクするのがウナギ捕りの話しです。

  • ここぞというポイントでウナギが捕れたときの楽しさ
  • 道志川のウナギはミミズなんか食べない、ウグイも駄目、鮎が一番餌によい
  • 弱って死んだ鮎を、ウナギは食べない、いきの良い鮎を餌にする

親父さんにウナギ捕りに連れて行ってくれと、何度せがんでもウンとは言いませんでした。秘密にしているポイントは誰にも教えられないのでしょうね。

他の人がその話を聞けば「そんなことないよ」ということもあったでしょう。しかし、親父さんの話しには、道志川とウナギに向けられた、あたたかな優しさがいつも感じられたので、私は黙って話しを聞いていました。
そのオトリ屋の親父さんが亡くなってから、もう5年くらい経つかもしれません。親父さん以外からウナギ捕りの話を聞いたことがないので、今の道志川ではウナギも捕れないかもしれません。

ウナギが絶滅危惧種に指定される

そんなウナギ捕りも完全に過去のものになってしまうかもしれない。2013年2月に環境省がウナギを絶滅危惧種に指定した。国際自然保護連合(IUCN)も絶滅危惧種としてレッドリストに載せる可能性が高い。
レッドリストに法的拘束力はないというが、2016年に開催予定のワシントン条約の会議で、規制対象にするよう締結国から提案される可能性が高まるという。ワシントン条約の規制対象となれば、国際取引が規制されるので、現在稚魚の輸入に頼っているウナギは、ますます希少なものとなっていくようだ。

50年前は今の10倍の漁獲量

ウナギ捕りを夏の川遊びとしている人は、日本中にまだまだいるでしょう。自分で苦労してとったウナギはどんなに美味いか、想像しただけでうらやましくなります。
今後もずっとそういう風景を残していくために、今は少しウナギを食べる量を減らすときなのかもしれないと思います。

私は決して、みんながウナギ捕りを楽しめるような、50年前の漁獲量に戻すべきだと言っているわけではありません。
日本のどこの地方にもウナギ捕りの名人のような人がいて、その人の話を聞くだけで、川の懐の深さと恵みを感じさせてくれる。そんな体験がこれからも残っていけば良いなと思っています。

オトリ屋の親父さんは、三途の川でもウナギを捕り、鮎釣りも楽しんだかもしれない。ウナギを三途の川でしか捕れないような状況にしてしまってからでは、遅いのではないのでしょうか。

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